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フィリピン人はなぜ英語を話せるの?フィリピン英語教育事情

フィリピン留学に興味を持つ人が増える近年。日本からも比較的近い東南アジア圏で、費用も安い、リゾートを楽しみながら英語学習ができるなど、日本人にとっては一番気軽にできる海外留学先になりつつあるフィリピン。

でも、そもそもどうしてフィリピンで英語留学?フィリピン人は英語のネイティブスピーカーなの?という疑問もあると思います。

今回は、フィリピン留学の基本豆知識。フィリピン人はなぜ英語を話せるのか、フィリピンの歴史や文化、教育事情を踏まえてお話ししたいと思います。

1.フィリピンの歴史

まずは、何はともあれフィリピンの歴史から見ていきましょう。

フィリピンの歴史を語る上でのキーポイントとなるのが「植民地」。この植民地時代の人々の生活は、彼らの言語にも大きく影響しますよね。

フィリピンの植民地の歴史

-1521年 ・・・マゼランがスペイン船団を率いて渡来

-1565年 ~ 1898年 スペインの植民地
スペインが攻撃を仕掛け続け、1565年にようやくセブ島を支配、その後マニラも制圧し、スペインの植民地となります。この期間内にも途中2年間はイギリス植民地にされたりと、入れ代わり立ち代わりで占領されてきました。

-1898年6月12日 フィリピン独立記念日
1898年にフィリピンはアメリカの支援を得て、スペイン領から脱却し独立を果たしました。・・・かと思いきや、まさかのアメリカの裏切り。スペインとの間で2000万ドルを支払うことで譲り受けていました。

-1898年 ~ 1942年 アメリカの植民地
事実上はアメリカに支配された状態でしたが、将来的には独立していいという約束を交わします。支配下に置かれながらも、独立の準備は行われました。

  • 1916年 フィリピン自治法制定
  • 1934年 フィリピン独立法可決

※1898年6月12日にフィリピンは独立を宣言し国歌と国旗を定めたことから、独立記念日は現在でも”1898年6月12日”と制定されています。

-1942年~ 1945年 日本の植民地
日本軍がマニラを制圧。独立の方向に進んでいたのもつかの間、太平洋戦争の勃発で、1945年に日本が太平洋戦争に敗戦するまでフィリピンは日本の支配下となりました。

-1946年7月4日 独立・ フィリピン共和国成立

日本がフィリピンから撤退し、1946年に選挙が行われマニュエル・ロハスが大統領となりフィリピンは共和国(第三共和国)としてようやく事実上の独立を果たしたのです。

(参考:http://www12.plala.or.jp/rekisi/huliripinn.html

フィリピンにおける言語政策・制定

ここまで植民地の歴史が長いと、現地で話されている言葉の歴史も気になりますよね。次に、フィリピンの言語の制定の歴史を簡単に説明していきます。

今やアメリカ・イギリスに続き世界で3番目に英語を話す人口が多い国とも言われているフィリピン。とはいっても、フィリピンには国語であるフィリピン語(タガログ語を基礎とする)、さらに各地域によって話されている母語が170以上もあるのです。

それぞれの島々で話されている言語は、同じ国に居ながら意思疎通ができないほどの違いがありました。

アメリカ英語など植民地の影響を受けつつも、ナショナリズムの高まりとともにフィリピンが一体となって発展していくためには国内全域で通用するフィリピンの共通言語が必要であると感じた政府は、タガログ語を基本としたフィリピン語を作り、普及に務めました。

このフィリピン語の基本となるタガログ語ですが、単語・ボキャブラリーなどスペイン語と共通するものが多くあります。300年の植民地時代に影響を受けていることがわかりますね。

そして、アメリカ植民地時代には、1902年までに1000人の英語講師をフィリピンに派遣し、1930年代には英語能力を有する者が30%を超えました。

このように植民地時代にスペイン語、英語、そして日本が支配していた頃は日本語と、言語政策に翻弄されてきたフィリピンですが、ようやく植民地時代が終わった独立後の1974年、教育省令25号によりフィリピン語と英語による二言語併用教育政策が発表されたのです。

2.フィリピンの英語教育

フィリピンの歴史の概要はなんとなくつかめたでしょうか?次にフィリピンの英語教育についてみてみましょう。

上で説明したように、フィリピン語と英語による二言語併用教育政策が発表されたことにより・・・

フィリピン語は社会学及び社会科学・人格教育・職業技能教育・保健体育の分野
英語は化学・数学・技術の分野

小学校から高等学校までを通じて教授用語として使われるようになりました。

フィリピン人が英語を熱心に話す・学ぶ理由は・・・

  • 海外への出稼ぎ労働、つまり海外就労に目を向けているから。国外でも仕事のチャンスを掴むための手段として英語が幅広く話されている。
  • フィリピン語の情報より、英語の情報量の方が格段に多いこと。アカデミックな分野の資料はほとんど英語で書かれている。
  • フィリピン国内言語対立の影響。フィリピン語(タガログベース)に対して、フィリピン国内で最も話者の多いセブアノ語話者からの反発が強く、セブ地域周辺ではフィリピン語より英語の方が得意な人が多い。

このように、高校まで卒業しているフィリピン人は当たり前のように英語を話すことができます。大学まで進めばなおさら。難しい文献なども全て英語。図書館に行けば英語の本ばかりです。

3.フィリピン人の英語スキル

基本的にとても勉強熱心なフィリピン人。特に、フィリピンの英語学校やオンライン英会話で教える講師は、多くが大学を卒業し、とてもキレイな英語を話します。

フィリピンでは、基本的にはアメリカの植民地時代の影響でアメリカ英語に近い英語が話されていますが、国語や母語であるタガログ語やセブアノ語の影響もあり、若干の訛りがあります。

しかし、その反面、英語が母語でないからこそ、英語を学習する側の気持ちをよく理解してくれるフィリピン人。自分たち自身も学校でしっかりと英語を学んできているので、効果的な学び方や練習の仕方を根気強く教えてくれます。手取り足取り基本をしっかり教えてくれるので、英語の基礎から学びたいビギナーの人には特におすすめですよ^^

まとめ

以上、”フィリピン留学の基本豆知識”・・・フィリピン人はなぜ英語を話せるのか、フィリピンの歴史や文化、教育事情を踏まえてお話ししました。

フィリピン人が英語を話せる一番の理由としては、もちろん過去の植民地の影響もありますが、何よりも若者が未来をしっかりと見据えているから。

海外に出稼ぎに行ったり、フィリピンの外資系企業で働いて、少しでも良い給料をもらって家族を助けたい。そんな強い目的意識を持って英語を習得する人がとても多いんです。

フィリピン留学を通して、英語習得だけでなく、英語学習に対する目的意識や必死に努力すること、熱心に取り組むことなど、多くのことをフィリピン人から学ぶことができるでしょう。

フィリピン留学を検討中の人もそうでない人も、是非参考にしてみて下さい^^

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1件のコメント

米軍が撤退して久しく、日常的に英語を使う機会が減ったのか、若い世代では、英語を話せない人も増えてるっぽい。
学校で外国語を選択するに当たっても、日本語、中国語の比率も高まり、また、アメリカとの関わりが相当に減って、米軍撤退後に生まれた世代では、大学卒でも英語をあまり話せない人が増えて。