英語の学習方法として日本にいてもできるのが通信講座。
英語のクラスを受けるよりも、自分のペースでカリキュラム通りに学習することで成果が見込めると好評です。
しかし、問題はどの会社のどの教材を選ぶか。英語の通信講座というのは正直たくさんありすぎて、始めてはみたけど上手くいかなかった、飽きてしまった、レベルが合わなかったという方も多いのではないでしょうか。
今回は、英語教材の王道ともいえる「アルク」の中でも人気No.1講座「ヒアリングマラソン」を実際に試してみたので、その内容と効果、どんな人に向いているのかなどをご紹介したいと思います。
『アルク』とは
[公式:アルク]
まず最初に、『アルク』についてご紹介します。書店で英語の参考書を見ているときや、ネットの英語翻訳サイトを見ているときに、上の画像のようなマークの本を見たことはないでしょうか?
『アルク』は語学教育の総合カンパニー。声の 月刊誌『ENGLISH JOURNAL』の創刊からスタートし、使える英語をモノにするため の通信講座『1000時間ヒアリングマラソン』を開講。今や多くのコンテンツでたくさんの語学の学習者から支持を得ています。
- ENGLISH JOURNAL
- 1000時間ヒアリングマラソン
- キクタン
- TOEIC(R) TEST対策
などなど。聞いたことがある、見たことがある、使ったことがあるものも多いのでは?
巷には、やたらと高額でうさん臭い英語教材が多い気がしますが、その中でも『アルク』の教材に関しては個人的に信頼しています。というのも、『アルク』は実際公式サイトにて、無料で様々なコンテンツを展開しています。
特に、無料のウェブ辞書「英辞郎 on the WEB」は、単語の意味が書いてあるだけでなく、一番重要な“単語の使用例“が多く載っているのがポイント。また、単語だけでなく、2つ以上の単語を合わせた慣用句・熟語なども検索ができ、使用例を見ることができます。
私はもっぱら辞書を引くときはこの「英辞郎」を使用しています^^
1000時間ヒアリングマラソンって何?
それでは、早速そんな『アルク』の通信講座の代表格ともいえる「1000時間ヒアリングマラソン」について紹介します。
なぜ・なにが1000時間なの?
英語を話せるようになりたい、理解できるようになりたいと思ったら、ある一定の期間を集中して英語に捧げる必要があります。どんな語学にも、スポーツや技術にも共通して言えることですが、ラクして得られるものでは決してないのです。
『ヒアリングマラソン』は1000時間を、1年間に英語に費やす時間として推奨しています。1年で1000時間、1日換算で約2,7時間。つまり毎日3時間弱は英語を聞いてみましょう。朝起きてからの1時間、通勤の30分、昼休みの30分、寝る前の1時間。こんな風に生活の中に英語を組み込んでみることが大事。
できる気がしない?1日3時間なんて長すぎる?そう思うならあなたは言語の本気の習得には向いていません。スポーツや楽器と同じ。練習や努力なくして上手くはなれないのです。
ヒアリングマラソンとは?
日本人があらゆるシーンで、瞬時に英語を理解して、相手とスムーズなやり取りができるようになる英語リスニング力を養成する講座。
「聞き流すだけで英語がペラペラ?」いいえ、そんなうまい話はありません。『ヒアリングマラソン』は「聞き流さない!英語がわかるロングセラー教材」なのです。
オーディオ教材(CD) | テキスト教材(マンスリーテキスト) |
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オーディオだけじゃダメ。聞くだけじゃだけなんです。オーディオ教材と一緒に、必ずテキスト教材を使って理解度を高めることで、確実に言っていることがわかるようにします。
また、教材が月刊で月ごとに変わるのもポイント。古いむかしのからの教材ではなく、最新の新しい情報や話題がたくさん組み込まれた教材なので、英語だけでなく世界情勢や文化などにも触れています。
1年間 | 6ヶ月間 | |
受講料 | ¥53,784(税込) | ¥30,240(税込) |
1ヶ月あたり換算 | ¥4,482 | ¥5,040 |
本気の人にこそ試してほしい『ヒアリングマラソン』。1年にしても半年にしても、1ヶ月¥5,000前後の自己投資なら、ちょっと試してみたくなりますよね。
「ヒアリングマラソン」の構造
ということで、実際にお試しで届いた教材を見てみました。リアルなヒアリングマラソンの教材の構造を見ていきましょう。
これで聞ける!英語の音 Basic Phonetics
- 難易度:★☆☆
ネイティブスピーカー同士の会話やスピーチを聞きます。自然な英語を聞き取るために、発音しない音や繋がって聞こえる音などを意識します。そんなに長くない会話&スピーチなので、内容を理解した後はオーディオ教材で何度も聞いて英語の音を体に染み込ませましょう。
3ラウンドで耳づくり 3 round System
- 難易度:★☆☆
3ラウンドとは、3段階に分けて学習する方法。①場面・話題を把握(オーディオ教材)→②話の詳細を理解(テキスト教材)→③話の要旨・意図をとらえる(オーディオ教材)といったように、3段階に分けることで、だんだんと内容がわかっていくことによる達成感を得られます。
トレーニング・ジム Training Gym
- 難易度:★★☆
リスニングのトレーニングです。ここでは、徹底的な反復トレーニングを行います。まずは話し手の英語を聞きながら理解できた内容をメモ。その後はディクテーションでテキスト教材の空欄を埋めてみる。その後、ディクテーションで聞き取れなかった英語をチェック、リスニングで理解できなかった和訳をチェックします。
ある程度内容が頭に入った後は、シャドーイング(音声から1,2語遅れて聞こえたとおりに真似して言うこと)を行ったり、ピックアップされた英文の1文を、スクリプトを見ずに言ってみるなど、様々なトレーニング内容が組み込まれています。
気になる話題でトーク! Talk Today
- 難易度:★★☆
ノンネイティブを含む3人の話者による、旬な話題のフリートークを聞きます。口ごもりやなまりなど、世界の英語に触れることができます。
最後にトピックに対しての自分の考えを書き出し、その後英語で実際に話してみる。(←自分の声を録画してみる)
ニュースの斬り方 News Views
- 難易度:★★☆
課外メディアで放送されたニュースの聞き取り。ニュース英語の構造を理解し、概要から詳細へと理解度を高めていきます。
ここでは、リピーティング練習が重要。リピーティングとは、意味のあるまとまりごとに直前に聞こえた英語を真似ること。スクリプトを見ながらでもいいので、一つ一つまとまりごとに区切りながら読んでいきます。
教養あふれる音の劇場 HM Playhouse
- 難易度:★★★
文学やレクチャーの英語に浸りながら、海外の社会や文化についての知識を深めます。リズム感のある抑揚豊かな声に耳を澄ませてみましょう。
物語の音読が流れ、その後には物語に関する解説が英語で流れます。まずは教材を見ずに聞いてみて、その後いくつかの練習問題に答えます。問題が終わったら、テキスト教材の英文のスクリプトを見ながら物語を通して聞きましょう。最後に今度はスクリプトを見ずに物語を聞いてみましょう。
シネマ試写室 Screening Room
- 難易度:★★★
映画の本編からの生の音声を聞き、台詞を音で理解します。その後、映画の感想の表現の仕方や、映画好きなネイティブスピーカー同士の会話からも、自然な英語を学ぶことができます。
ディクテーション・コンテスト Dictation Contest
短い音声を聞いて、聞こえた英文を書き取ることをディクテーションといいます。このディクテーションした英文を応募して、成績優秀者の毎月3名に1000円分の図書カードが当たります。
マンスリーテスト HEMHET Monthly Test
マンスリーテスト。TOEICのような選択形式で行います。
実際の効果は? 個人的な活用法
「1000時間ヒアリングマラソン」を早速受けてみました。テキスト教材が1つと、オーディオCDが2つ。(※上の画像にはCDは1つしか写っていませんが、もう1つあります。)
以下、私が個人的にやってみた使用法・学習法をご報告します。
通勤・通学中に聞き流せ! オーディオ教材だけでも十分効果的
普通はまずCDを聞きながら、同時にテキスト教材を進めていく人が多いと思います。下線や空欄を埋める問題から、リスニングで内容理解する問題まで、書き込む系が結構ありますから。
でも、私はそれはしません。まずはオーディオだけ聞きました。とりあえず何が流れてくるのか、どんなエクササイズなのか、全くわからない状態で聞くだけ聞きます。理解する必要はないです。ラジオを聞いているようなそんな感覚でまずは聞き流します。
だから最初はオーディオだけ繰り返し聞きます。こんなことを言っているのかな、この単語・この表現は知っているな、などところどころ押さえながら聞きましょう。
その結果、このヒアリングマラソン、オーディオ教材だけでも十分英語を耳に入れるという意味では効果があるなと感じました。まぁ、ここまでが所謂「聞き流す英語」というやつです。これなら、テキストを出せない満員電車・バス通勤/通学でも、車通勤でも気軽に”お勉強”できますね。
内容に興味を持った状態で、初めてテキスト教材をチェック
「こんな感じの内容だと思うけど・・・本当はどんな内容なんだろう?」こんな好奇心が沸いてきたらようやくテキスト教材の出番です。テキストとオーディオを一緒に活用してオーディオだけで聞いた内容と、テキストのイラストや英文を重ね合わせます。
ここで、聴覚にプラス視覚が合わさります。特にイラストや写真を見ると、この英語はこの人がしゃべっていたんだ、と視覚的にイメージがつきやすくなります。
ここで、教材の問題を一通り解いてみるといいでしょう。テキスト教材の使い方が載っていますが、それ通りにやる必要はありません。
今なら集中してできるな、というときにまとめてやってしまうので、正直テキスト教材自体は1週間もあれば目が通せます。それよりも1日3時間をオーディオ教材の方に充てるようにしてますね。
耳は正直です。しかも一度テキストの内容にも目を通しているので、言っている内容もスムーズに理解できるようになってきます。
ここで初めて「聞き流さない英語」になるんですね。
個人的におもしろかったチャプター
◎Talk Today 気になる話題でトーク!
写真文化についての3人のフリートークはおもしろかったです。自撮り文化についてどう思うか、とか、料理の写真を撮ってばかりの人をどう思うか、などトピックも旬な話題で興味深いですね。また、スピーカーの3人もイギリス人、カナダ人、スリランカ人と全員出身地もバラバラ。
それぞれがクセのある、特有の訛りまじりの英語を話すのですが、それがまたグローバルイングリッシュのおもしろさを引き立てていました。ネイティブのように話すことが大事なのではなく、国を超えてコミュニケーションをとるためのツールなんだと聞きながら実感しましたね。
◎Playhouse 教養あふれる音の劇場
物語・文学の音読を聞きます。英語特有のリズミカルなイントネーションを耳に染み込ませていくイメージで。個人的に聞き心地が非常に良いと感じました。話の内容は正直60%程度しか理解できていませんでしたが、オーディオ教材を聞いた後に、テキストを読んだときは、小説を読んでいるようで世界に引き込まれました。
難しかったチャプター
ニュースのパートはやはり難しかったです。全然ついていけませんでした。使われている言葉も難しい表現ばかりで、正直自分は使わないなと思うものばかり。ただ、ニュース特有の言い回しなどを覚えることで、海外のニュースなどを理解する良い勉強になるな、とも感じました。
こんな人におすすめ!
結局のところ、レベルは結構高くて、中級者から上級者向けの教材といえるでしょう。短期だとしても一度でも留学を経験した人が継続して英語に触れていたい、英語の耳に慣れていたい、トピックや英語表現のスキルアップとして活用するのに最適な教材だと思います。
上でも述べたように、私はオーディオは1ヶ月間フル活用、テキストは1週間程度しかしっかり使っていません。それでも、この1冊の内容は毎日聞いた分頭に入っています。一文まるまる暗記できる文もあります。内容をすべて忘れてしまったチャプターもありますが、反対に細かいセリフや言い回しまで頭に残っているものも。
これを1年続けたら英語がペラペラになるかと言ったらウソになりますが、1ヶ月繰り返し聞くことによって頭に残った言い回しが、月々増えていくのは結構楽しみだと思いました。月刊なので、次はどんな内容なのか、どんなトピックなのかなどが結構楽しみです。
1年間もしくは6ヶ月で、5万円ないし3万円の自己投資の意味は十分にあると思いますよ^^
まとめ
以上、英語教材の王道ともいえる「アルク」の中でも人気No.1講座「ヒアリングマラソン」の紹介と、実際に1ヶ月試してみた感想・効果をご紹介しました。
☑留学後の英語力維持として活用◎
☑中級者~上級者向け
☑英語の音に対して聞き心地が良いと感じる方
☑日々の通勤・通学時間を上手く英語学習に使いたい方
⇒おすすめできます!
反対に・・・
☑飽きっぽい
☑英語を聞くのは結構耳が苦痛
☑お金をなるべくかけずに英語を学びたい人
⇒苦しい自己投資になってしまうかもしれません。
本気で英語を聞けるようになりたい、英語自体聞き心地が良い、そう感じているならヒアリングマラソンを試す価値は十分にありますよ。是非、参考にしてみて下さい!