欧米などに旅行や留学で行ったことがあるなら、レストランやホテルなどでチップを渡すという経験をしたこともあるでしょう。
アジアに位置しつつも、植民地としてアメリカやスペインの影響も受けているフィリピン。果たしてチップ事情はどのようなものなのでしょうか。
今回は、フィリピンでのチップの支払について。タクシー・スパ・ホテル・レストランなど、各状況別に相場や渡し方をご紹介したいと思います。
【1】フィリピンでのチップは任意
格安旅行をご希望の方、ご安心下さい。フィリピンでのチップは義務ではありません。
どんな状況においても絶対に支払わなければいけないというわけではないし、チップを要求されることもほとんどありません。
また、多くのレストランなどでは既にサービス料(利用代金の約10%ほど)が金額に含まれていることがよくあります。高級レストランや特別な状況以外でわざわざチップを支払う必要はないでしょう。
欧米圏においてはチップは義務であり払うのが当たり前となっていますが、フィリピンでは本当によくしてもらったときや、金銭的に余裕があるとき、おつり分をチップにあてる程度で問題ないです。
【2】状況別チップの相場と渡し方
続いて、タクシー・スパ・ホテル・レストランそれぞれのシチュエーション別で、チップの相場と渡し方をご紹介します。
タクシー
料金の10%という情報もありますが、現地で生活するときに乗るタクシーでは基本的にチップは不要です。
運転手側からチップを要求してくることもほとんどありません。
(※たまに悪質なドライバーはぼったくろうとしたり、チップを強要してくることもありますが、通常のメータータクシーならほとんど大丈夫でしょう。⇒フィリピンのタクシー事情について詳しくはこちらの記事を参照!)
タクシーのチップとしてよくあるのが、おつりをそのままドライバーに渡すこと。例えば、代金が95ペソで自分が100ペソを支払った時など、5ペソのおつりをチップにしたり。
小銭がたまるのが嫌な人や、帰国直前で小銭を減らしたい人は、ちょうどいいかもしれません。
ちなみに「おつりはもらっていいよ」は英語で以下のようにいうことができます。
- Please keep the change.
- You can keep the change.
スパ・マッサージ
スパやマッサージなどのリラクゼーションなどでは、基本的にお店によってチップの有無は異なります。
とはいっても、こちらも絶対的にあげないといけないものではありません。マッサージがすごく良かった、気に入った場合にのみ支払うくらいで問題ないでしょう。
ただし、お店によっては最後に口に出して催促するところもあります。マッサージの担当者からチップ用の入れ物を渡されたり、支払いの際にチップ入れをこれ見よがしに目の前に置いてきたりと、ずいぶん図々しいな、と思うことも。(笑)
さすがに目の前でチップをくれと言われてしまっては断りにくいので、その場合は20ペソ(40~50円)程度を出しておきましょう。1番価格が安い紙幣が20ペソなので、小銭だけだと見栄えが悪いと心配な方は20ペソ札を多めにとっておいて、チップとして使いましょう。
自分は、基本的にスパやマッサージ店ではチップを催促された時にのみ支払っています。
ホテル
欧米のホテルでは、ベッドメイキングやボーイ、ルームサービス時などにチップを渡しますが、フィリピンではこちらも義務ではありません。
かなりの高級ホテルじゃない限り、ホテルの基本的なサービスに対するチップは不要です。通常のプラスアルファでお願いをしたときや、よっぽど親切にしてくれたときなどに渡しましょう。
ベッドメイキングやボーイにあげるチップの相場も基本的には20ペソ前後(約40~50円)が相場。20ペソの紙幣1枚くらいがちょうどいいでしょう。
自分が頼んだことを終えたときなどに、This is for you.(これはあなたに。)と言って渡してあげましょう。相手が喜んでくれたら、あげた方も気分が良いですよね。
高級なホテルで素晴らしく良い扱いを受けた時などは、50ペソ程度渡しても良いでしょう。それでも日本円では100円前後なので安いものですよね。
レストラン
レストランでは食時代に元々サービス料が含まれていることが多いため、基本的にチップは不要です。
現地の人が利用するローカルレストランではもちろん不要。ホテル内のレストランなど高級な場所では、ホテル同様20ペソ札、サービスが良ければ50ペソ札を置いていけばいいでしょう。
渡すタイミングは会計が終わったあとに、お会計に使ったトレーにチップを置いてそのまま店を出ましょう。トレーに置いておけば、後から店員が片付けに来た際にチップだということがわかりますよね。
アメリカやカナダなどの欧米圏でもこのようにしてチップを置いていきます。海外の高級レストランで食事をする際のチップマナーとして知っておいて損はないでしょう。
【3】地元のフィリピン人はチップを払っているの?
では、地元のフィリピン人はどうなのでしょうか。
欧米圏では地元だろうが観光客だろうがチップは渡すのが義務ですが、フィリピンでは地元の人もチップを渡すことはほとんどありません。
タクシーでのおつりを受け取らずにチップ代わりにしたり、道端で暇そうにしている人や子どもにタクシーを拾ってきてもらったときに小遣い感覚で渡したり、メイドなどを雇っている裕福な家のフィリピン人は買い物に行ってもらったときなどに軽くチップを渡す程度。
もちろん個人によって感覚が異なるので、あげる場面は人によって違いますが、金額はだいたい10~50ペソ程度です。
【4】チップの注意点:物価が安いからと言ってあげすぎは厳禁!
また、観光客でお金を持っている人は、ちょっと親切にしてもらったからといって100ペソ以上を平気でチップであげてしまうことがありますが、これはNGです。
というのも、あまりにも高額な金額をもらってしまったら、最初はびっくり・嬉しいかもしれませんが、それが当たり前だと思われてはダメですよね。
例えば、日本人は何かしてあげればコレだけのチップをくれる、と思われてしまっては良くありません。同じ気持ちでストリートチルドレンにお金をあげてもダメです。
あくまで20~50ペソが目安です。覚えておきましょう。
まとめ
以上、フィリピンでのチップの支払について。タクシー・スパ・ホテル・レストランなど、各状況別に相場や渡し方をご紹介しました。
- 基本的にフィリピン国内でチップを支払う義務はない
- チップをあげるとしたら相場は20~50ペソ程度
- チップのあげすぎにも注意
是非、フィリピン生活の参考にしてみて下さい!