日本語でも多くの人が使っている「やばい」という言葉。
日本語の「やばい」は、元々は【危ない】や【まずい、困った】というネガティブな意味の言葉ですが、若者が使う俗語(スラング)としては【すごく良い、最高な】という意味でも使われています。
とってもややこしいですが、英語に訳すとどうなるのでしょうか?
今回は、誰もが一度は使ったことのある言葉「やばい」について。日本語の「やばい」は英語で何と言うのかをご紹介したいと思います。
【1】「やばい」の直訳は何になる?
まず最初に、日本語でも良い意味でも悪い意味でも多くの異なるシチュエーションで使われる「やばい」という言葉。特に若者を中心に使われていますね。
まずは、「やばい」という言葉を単純に辞書で引くとどのような訳し方になるのでしょうか?
- Dangerous
- Risky
いくつかの辞書に共通して出てきた直訳は Dangerous と Risky 、つまり「危ない」という意味が「やばい」の直訳に当てはまるようですね。
・Do a dangerous job. 「やばい仕事をする。」 _ジーニアス和英辞書より
・I don’t want to do anything risky. 「やばい橋は渡りたくない。」 _Weblio辞書より
でも実際に、私たちが使っている「やばい」の意味はこれだけではないですよね。
口語的ならびに俗語(スラング)のような意味で使われている「やばい」を表す英語も次の項目から見ていきましょう。
【2】【まずい・困った】という意味で使われている「やばい」
「やばい!どうしよう!」のように、良くない状況の時に使われる「やばい」を表す英語です。
「やばい!」感嘆詞として使われる表現
「やばい!」と感嘆詞として一言で言う場合に使われる英語表現
Oops!
「やばっ!」
ちょっとやばい時。Oops は「おっと!」「しまった!」という意味で使います。
Oh no!
「やだ~!やばい!」
Oh my god!
「やばい!(どうしよう!)」
What the hell?
「やばい!(なんてこった!)」
What the hell? は、What? を the hell(地獄)で強調装飾した言葉で、「何だって?」という出来事が信じられない、というニュアンスも含まれています。
Crap! / Damn! / Shit! / Holy shit!
「くそー!」「やっべー!」
ちょっと汚い言葉遣い。 Shit や Holy shit は特に強いニュアンスで、女性が使うのはあまり好まれません。
「それはやばい!」ある物事が良くない・まずい時
物事などや状況などが良くない、まずい時に使える英語表現です。
(It’s) Really bad!
「やばい(本当に悪い)」
(It’s) Terrible!
「やばい!(とても悪い)」
Crazy! / Insane!
「やばい!(おかしい / 狂った)」
物事に対しては、「変な」「まともじゃない」といったニュアンス。
物事だけでなく、人に対しても使えます。言動がおかしかったり、怪しかったり、気味が悪い、狂っている、そんな状態の人に対して使います。
・That man is crazy.「あの男やばいよ。(頭がおかしい)」
・She is insane.「彼女マジでやばいよ。(正気じゃない)」
I am freaking out!
「やばい!(パニクってる)」
Freak out でパニクるという意味。自分自身がパニクってやばい時に使います。
「やばいことになる」状況が悪化する・困ったことになる
困ったことになる、問題が起こった時の「やばいことになっちゃう・・・!」を表す英語表現。
I’m in trouble.
「やばい状況なんだ。」
自分自身の状況が良くない時。トラブルのさ中にいる時などに使います。
→ケンカを仕掛けたり、危ないことをしている友達がいたら忠告しましょう。
I messed up!
「やばいことになった!(やっちゃった / しくじった)」
mess up は、【しくじる、間違う、へまをする】という意味。自分のやったことで、状況が悪くなった時に使います。
We have a problem.
「やばいことになった。(問題がある)」
We を使っているので、個人的にではなく、自分たちのいる状況に問題があってやばい、というときに使います。
The situation gets worse.
「やばい状況になってる。」
Situation(状況)が悪化している時に使います。
【3】【とても良い・最高な】という意味で使われている「やばい」
続いて、日本でもスラング感覚で使われている、良いという意味の「やばい」を表す英語をご紹介します。
Amazing!
驚くほどスゴイ!と良い意味で使われる「ヤバい」です。
Awesome!
こちらも「素晴らしい」「最高」という意味でよく使われいます。
Super!
「すごい」「素晴らしい」「一流の」「特大の」という意味を持つ Super も、良い意味の「ヤバい」として使うことができます。
Damn (good)!
Damn は「くそー」というちょっと汚い言葉で、ネガティブに使われますが、good を付けることで、「くそヤバい(くらい良い)」(ちょっと汚いですが・・・)や「すげーヤバい(くらい良い)」というニュアンスになります。
Crazy!
「狂っている / おかしい」という意味で使われる Crazy。悪い意味でも出てきましたが、「(良い意味で)おかしい、狂ってる」でも通じます。
声のトーンやニュアンスで良い意味か悪い意味かを使い分けましょう。
Oh my god!
「やばい、どうしよう」も良い意味で使うことができます。
「ヤバい、どうしよう!彼、超カッコイイんだけど!」
【4】状況によってどちらともとれる表現
最後に、同じ言葉でも状況や言い方によって、良くも悪くも捉えられる英語表現をご紹介します。
Damn ~
「やばいくらい***である」と強調する時に使える表現。
上でも紹介した”Damn”は悪い時には感嘆詞としてそのまま使い、良い時には”Damn”の後に”Good”や”Cool”をつけることで「やばいくらい良い」と、形容詞を強調する意味でも使われます。
Freaking ~
Damnよりもさらに強い強調です。
- It’s freaking hot today. 「今日やばい暑いな!」
- It’s freaking hard! 「やばいムズイ!」
「Freaking」はまだ良いのですが、Fu*king(←自粛します) は汚い言葉で、アメリカのテレビなどでは「ピー(英語ではBeepという)」で隠される放送禁止用語です。
仲良しの友達同士で使う分にはいいですが、多用すると周りからのイメージが悪くなってしまいます。
Crazy!
「Crazy」は状況によって、良くも悪くもとれます。
直訳では「頭のおかしい」という悪い意味で使われますが、スラング的には良い意味で「狂ってるけどおもしろい」というニュアンスで使っています。
「彼マジでやばいよ。なんであんな馬鹿なことができるんだ?」
「彼ヤバいおもしろいよ!あいつといたら全然退屈しないな!」
Oh my god!
「やばい、どうしよう」というニュアンスがある”Oh my god”も、良い場合にも悪い場合にも使われます。
「ヤバい、どうしよう!電車に財布忘れちゃった!」
「ヤバい、どうしよう!あの赤ちゃんめっちゃ可愛い!」
That is sick! / This is sick!
本来「病気の」という意味の「sick」をスラング的に使った表現。
ネイティブの若者の間では、かっこいい・すごいといった良い意味の「やばい」(Cool や Awesome と同義)として使われることもあれば、きもい・おかしいなどの悪い意味の「やばい」として使われることもあります。
まとめ
以上、誰もが一度は使ったことのある言葉「やばい」について。日本語の「やばい」は英語で何と言うのかをご紹介しました。
「やばい」というニュアンスを表す言葉はこんなにたくさんあるんですね。状況や、度合いに合わせて言い方を変えて使ってみましょう。
是非、参考にしてみて下さい!
「バカな真似はよせ!やばいことに巻き込まれるぞ。」」